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2007年4月16日 (月)

井上泰信マンドリンリサイタル

表記のコンサートに行ってきました。感想を。

管弦楽をバックにしたマンドリンの独奏・重奏、といった、聴けそうでなかなか聴けない組み合わせによる演奏会でした。曲目もポッパー、ブルッフ、ヴィヴァルディ、ラニエリ他の、マンドリンではおなじみの作曲家の作品、難度の高い作品を積極的に取り上げた、意欲的なメニューでした。

コンサートは素晴らしい結果に終わったと思います。
この場に居合わせることのできた方々は、貴重な記憶を持ち帰ることができたことでしょう。

井上さんの「音を遊ぶ心」。それが私の心をふるわせました。
例えば「ケルト旋律によるアダージョ」で、なにげない旋律を、語るように自在に弾きつづる。次にどういった語りかけをしてくれるのかを知りたくなり、心が揺れる。そう感じました。
また、「2つのマンドリンと弦楽のための協奏曲ト長調」などで、力を抜いて自然に歌う音が惹きつける、その魔力が井上さんのサウンドにはある。そう感じました。
今まで井上さんの音を何度も聴かせていただいたことを通じても、新たに私がハッとさせられた点が、今回いくつもありました。
逆に、必要以上に用いるアクセントやフワフワと一音ずつかける唄いなど、奏者にとって自然でも、聴く者にとって不自然なものが耳に残る点は、今後の課題かと思われます。

ラニエリの協奏曲は、さすが圧巻でした。
有無を言わせない技術力
この力量がベースにあってこそ、聴衆全てを酔わせるクライマックスの瞬間があるのです。
若い力がどんどん育っていますが、まだまだ他に追随を許さない力強さが、井上さんにはあると思います。

管弦楽との音量のバランスについては、議論が交わされたのではないでしょうか?
室内管弦楽団とはいえ、ストリングスに木管4、ホルン1、パーカッション1の編成は、なかなか豊かな音量で、マンドリンやマンドリュート1本では厳しい部分もありました。
ただ私は、独奏の相対的な音量の小ささよりも、バックと独奏がユニゾンあるいは同音域になった場合に、「撥弦の音が聞こえることによって、バランスが取れた」ことを面白く感じました。言い換えると、細かいトレモロをするほどバックに埋没してしまうのですが、むしろ粗いトレモロをすると浮かび上がってくる、といった感じです。これは、特にマンドリュートの独奏で感じましたね。
ひとつのヒントになれば幸いですけど、この辺りは、当日の録音や客席で聴いた方々の感想によって、今後分析されるのでしょう。

アンコール、私はどっしりと「チゴイネルワイゼン」が来ると読んだのですが、「千の風になって」をしみじみと。。。井上さんのにくい演出です。
爽やかに、春の心地よい夜を過ごさせていただきました。
どうもありがとうございました。

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