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2007年3月18日 (日)

『響』の源流を訪ねて

表題のコンサートに行ってきました。
マンドリン合奏ではポピュラーなイタリア吹奏楽作品を、プロの吹奏楽団の演奏で聴く、というイベント。
実現に向けては、端からみるよりもよっぽど苦労があったことだと思いました。
本当にお疲れ様でした>スタッフの皆様

演奏面からみた感想といえば。。。

「華燭の祭典」「エンマ・イゾッタ」の2曲に票を入れます。
特に「華燭」は、他の曲と比較して1枚も2枚も上手のオーケストレーション!著名な作曲家達から評価を受けていたことも、うなずけます。
2楽章のsoloがコルネットというのは、事前の想像では違和感がありましたが、これがまた素晴らしいサウンド!心地よいひとときを味わうことができました。

また、中野二郎先生が「工夫を重ねて」編曲をして来られたことを、肌で感じることができました。
特にギターの使い方。
原典の吹奏楽の楽譜においては、ヨコの線で編まれた部分が多く、ギターのアルペジオや重音で表わせる音があまりみられませんでした。
その中で、効果的に、またオリジナリティをもって編曲されたことに敬意を表したいと思います。
また同時に、同じ原典で複数の編曲者が編曲をする、そういった作品を多くみたいこと、また、クラシック編曲作品などにおいても、編曲の良し悪しをもう少し議論する場をみたいこと、なども感じます。
マンドリンの世界では、「在る楽譜を単に演奏する」「音の移しかえでそこそこ響く編曲でも満足する」ことが多く、オーケストレーションやアレンジの良否を問うことが、まだまだ少ないと思います。

それともうひとつ。
大阪市音楽団の演奏の「力み」のなさに、素晴らしいものを感じました。
「祭」などでは、マンドリン合奏では「ここはこう弾くことが多い」などといった、既成概念化している演奏方法なんかもあると思っています。で、それがまた荒い表現になっていることが多い。。。
ところが今回の演奏においては、そういった「荒さ」「力み」がほとんど感じられなく、私にとって「当たり前」となっている表現の多くがみられず、結果、新たな音楽作品として楽しむことができました。
大阪市音楽団の定演のチラシが挟まれていましたが、都合がつけば聴きに行ってみようかな。。。

イベント面からみた感想といえば。。。

「マンドリンの世界の人間が望み、得るものを得たイベント」というところでしょうか。
プロである大阪市音楽団の方々、吹奏楽の世界の方々にとって「得るものがあった」コンサートであったかどうか、に興味があります。
得るものがなければ、「金を払って演奏してもらった」といった後味が強いイベントなわけです。

作品によっては、マンドリンに関わらない方々には辛い内容のものもあったかと思います。が、「華燭」をはじめとするいくつかの作品においては、「旧きを暖め」たことによる、新たな発見もあったのではないか、と想像しています。
そういったナマの声を求めてネット上を探してみましたが、残念ながら、まだ出会えていません。。。

今回のイベントの集客や反響は素晴らしいものがありましたが、集客努力が奏効した部分、一部のマニア(私も含めて)の興味をひいたこと、初めての試みであったこと、などが背景にあったことも事実。
ここに述べたことを含め、いくつかの点を見つめなければ、こういったイベントを単に二度、三度と繰り返すことが、残念な結果につながることも、ファンの一人として訴えたいと思います。

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コメント

『源流』仕掛け人の巣之内です。
吉水さん、ご来場ありがとうございました。
又、いろいろな(今後の)アドバイスに深謝いたします。
今回のコンサートを企画・実行する段階で、たくさんのハードルが出てきました。

先ず、どこに演奏してもらうか。
これは、私としては最初から大阪市音楽団と決めていました。なぜなら、失礼ながらアマチュア団体では、練習時間の制約から彼ら自身の本来の演奏活動に支障をきたす怖れがあり、同じアマ活動をしている我々に若し斯様な依頼がきたら、困惑するのが分かるからです。
ただ、市音が受けてくれるか否かは、全く不明でした。
昨年の1月末だったと記憶しますが、市音に飛び込みで依頼しましたが、やはり反応は今ひとつでした。
それはそうですよね。
「マネンテ?そんな作曲家、聴いたこと無いですね。
イタリア物だけで、しかもそんな古いきょくだけでコンサート?
お客さんが集まりませよ。もっと違う曲も入れたらいかがですか?」
ここで引き下がっていたら、3.17は無かったのでしょうね。
「お客さんがはいらなくても、カマイマセン。コンサートとして成立しなくても、カマイマセン。一度楽譜を見てください。旧いかも知れませんが、プロの目からみて良い曲だと思われたら、音に出す機会を作っていただけませんか」
「それなら、考えている曲のスコアを拝見して、相談しましょう」

書けばこの程度ですが、ここに至ったのが4月半ばですから・・・。

その後もたくさんのハードルが待っていましたが、15日の初練習に立ち会った時、目頭が熱くなりました。

そうそう、市音のメンバーがどう思ってか、ですね。
一つだけエピソードを紹介します。
休憩の間に、バックステージでメンバーに(「祭」が終わったばかりでしたので)「スンマセン、えらいキツイ曲を頼んでしまって。体力持ちますか?」と声をかけますと、
「大丈夫です。でも、良い曲ばかりですね。。はら、あの誰でしたっけ?これから(二部)やる、真ん中の作曲家?」
「ボッタッキァリですか?エンマイゾッタの」
「はい、あれはいいですね!ワーグナーが聴こえてくるんですよ」
そばに居たコンマスさんが「パンフに書いてあるで。ワグネリアンって。読んでないなぁ」と揶揄されてました。
と、そばにいたほかのメンバーさんが、
「『華燭』?あれの2楽章、いいがな!誰かの結婚式に使えるで!」と、話を引き取られました。

「華燭」の直前に、袖で指揮の関谷さんが
「彼ら(市音マンバー)も、(本番を)すごく楽しんで演奏してますよ。気に入ったみたいです!」との言葉を私にかけてステージへ戻られました。

第二弾があるのか否かは、未定ですが、いかんせん金銭的な問題が先にきますので・・・。
もし何かを仕掛けるのなら、吉水さんのご忠告を肝に銘じて動きたいと思います。

お礼だけ書くつもりが永くなりました。
ありがとうございました。

投稿: 巣之内裕規 | 2007年3月21日 (水) 10時28分

巣之内さん

ていねいにコメント下さり、ありがとうございます。
主催者の皆さんの努力をみずに、書きたい放題書かせていただいたにも関わらず、真正面から受け止めて下さったことに、頭が下がる思いです。

>>アマチュア団体では、練習時間の制約から彼ら自身の本来の演奏活動に支障をきたす
なるほど、そういう配慮もあったわけですね。
しかし天下の大阪市音楽団とは、英断だったと思います。
それを受けて下さった市音のふところの深さにも脱帽します。

>>そうそう、市音のメンバーがどう思ってか、ですね
エピソード、ありがとうございます!
私は今回、マンドリンの世界から離れた目線でも曲を楽しもうとしたつもりですが、結果、「良いものは良い」と素直に感じることができました。
市音のメンバーの方から、自然な感想として、ここに書いて下さったようなことが語られたのは嬉しいことです。
良いものは良い、と。
こういったことからも、よりプロの演奏家として市音の皆さんを感じることができます。

ただ、今回のイベントが吹奏楽の世界に影響したかは、紹介いただいた曲の再演の有無、という視点でみたいと思います。
おそらく、10年ぐらいのスパンでは、あるのではないでしょうか。。。

>>第二弾があるのか否かは、未定ですが、いかんせん金銭的な問題が先にきますので

そうですか、大変だったんですね。
公的な諸団体は、こういったことのためにプラスに作用して欲しいものです。

マンドリンを演奏する者が、マンドリンの世界の中だけでしかイベントを考えられないのであれば、残念なこと。
でも、ARTE MANDOLINISTICAやメトロポリタンなど、拡げた視点をもち、精力的に活動している団体があるのも事実。
こういった動きは、無くして欲しくないですね。

これからも気負いなく、無理しすぎることなく(ま、多少の無理は仕方ないですわね)、フレッシュな気持ちを忘れずに活躍下さい。
それから、面白いことを思いついたら、私にも一声かけて下さいね。

投稿: まるよし | 2007年3月21日 (水) 11時02分

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